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最高裁判所第一小法廷 昭和58年(し)39号 決定 1983年9月27日

申立人

川本輝夫

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告趣意のうち、憲法一四条違反をいう点は、原審において主張、判断を経ておらず、その余は、刑訴法一八八条の二第一項の解釈の誤りをいう単なる法令違反の主張であつて、いずれも適法な抗告理由にあたらない。

なお、刑訴法一八八条の二第一項は、費用の補償をすべき場合を無罪の判決が確定したときに限り、公訴棄却の判決が確定したときを含まない趣旨であると解すべきであり、これと同旨の原判断は相当である。

よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(谷口正孝 団藤重光 藤﨑萬里 中村治朗 和田誠一)

(特別抗告の趣意省略)

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